
さきの大戦が終わってから66年、日本は平和でありました。サンフランシスコ講和条約で主権を回復してから59年、日本は平和で且つ独立を維持してまいりました。世界の国で66年間、平和を維持し続けた国はそんなに多くありません。これは日本が誇っていいことだと思います。平和外交努力、そして日米同盟による抑止力。この2つが両輪のごとく日本の平和を守ってきたわけであります。
この平和がちょっと危なくなってきたのではないかという気がするわけであります。日米同盟が脆弱化しております。鳩山さんが選挙のときに普天間について「少なくとも県外」、当てもないのにそういうことを言いました。今まで積み上げたものが全て崩れてしまいました。普天間は市街地の中心にあって、事故が起これば大惨事。騒音被害も非常に大きい。だから名護市の辺野古という海に移しましょう。危険はすごく減る。騒音被害も減る。そしてそれと同時に8千人の海兵隊員がグァムに移る。家族を入れると1万7千人のアメリカ人がグァムに移る。そしてその海兵隊員が働いていた嘉手納以南の基地の大部分が日本に還ってくる。それが2014年には間違いなく実現する。そういう状況だったのです。
それが壊されてしまった。当てもないのに、選挙のために壊されてしまった。非常に残念であります。野田総理が“申し訳ない。あれは鳩山さんだけが悪かったのではなくて、民主党の政策がそもそもそういうことだったのだ”ということを予算委員会で言いました。沖縄県民に謝罪するのは当然だと思います。当然ですがそれだけで足りるわけではなくて、日米同盟が脆弱化し、日本の平和が危なくなって、そして日本人の命が危なくなりつつある。そういうことであるならば、沖縄県民に謝ると同時に日本国民全体に「申し訳ない」こう言ってもらわなければならないと思います。
元に戻って、辺野古の海に持って行くと言ったけれども、2年間浪費したというだけではないのです。著しく困難になってきているわけであります。一生懸命パフォーマンスで野田さんを除く閣僚が沖縄へ行っていますけれども、沖縄出身の民主党議員、誰一人賛成と言わない。今の案に。みんな反対している。その人たちを説得しないで放っておいて、本当にやる気があるのかどうかわかりません。アメリカの信頼を失い、沖縄の信頼を失い、そして本当にやる気があるのかどうかわからない人たちに任せておくわけにはいかない。
我々は一刻も早く政権を奪還して、きちっと普天間の問題に決着をつけて日米同盟を再構築して、日本の平和をこれからも守っていく。このことをきちっとする責任があると、こういう風に思います。
TPPの問題。ここで世論調査をすると大体3割から4割の人が賛成、1割から2割の人が反対、後の人はわからない・どちらとも言えないというところに手を挙げるのではないかと思います。農村地帯に行くとその割合が反対になると、こういうことでありますが、TPPに関する今の内閣のやり方、見ていられない。こういうことであります。
アメリカから「TPPに入りたいのだろう?入りたければ全ての関税をゼロにする、例外なき関税ゼロ、関税撤廃を目標にすると言え。言わないと入れてやらないよ」「はい言いますから入れてください」そしてそれでは国内が保たないことがわかっているから国内に対しては「イヤイヤそうは言っても中に入ってしまってから交渉すれば、例外は取れるかもしれないんだ」と、こういう二枚舌であります。
だいたい例外なき関税ゼロということを表明して入って、それからそれを翻して例外を取りに行く。まあこれは困難なことでしょうね。外堀を埋めてから徳川方と戦う淀君みたいな話。相撲だって横綱が「俺の十分に組ませてくれたら相撲取ってやるよ」それで相撲を取る馬鹿はいないと思うのですね。やはり相撲というのは指し手争いから始まるんです。「アメリカさん日本に入ってもらわないと困るのでしょう?困るのだったらそんな例外なき関税ゼロ、例外なき関税撤廃なんて、そんなこと言っていては、やれるわけないではないですか」入ると表明する前に、その下交渉を当然やらなければならない話だと思いますが、やった気配が全くない。
菅総理はダボスに行って、世界に向かって「平成の開国」「TPP参加を検討する」とこう仰いました。堺屋先生が国民に向かって「平成の開国」「日本は開国しよう」と言うのは大いに結構なのです。大いに結構。日本の外交の責任者が世界に向かって「平成の開国」「今まで閉ざされていました。これから開きます」外交にならないのです。経済外交というのはそれぞれ国益かけて「お前閉ざされてるじゃないかもっと開け」「お前こそ閉ざされてるじゃないかもっと開け」それでやりあうのが経済外交なのです。外交のトップが世界に向かって「今まで閉ざされていましたこれから開きます、TPPに入るのを検討します」こう言ったときに外交敗北がもう最初からわかっていた事例なのです。
お前だったらどうするのか。私だったら表明する前に、表明する前に情報収集、情報収集と下交渉というのは紙一重でありますが、「アメリカさん日本が入ってくれないと困るのでしょ?」と。「困るのだったら例外なき関税ゼロなんてそんなできないことを言ったってだめですよ」と、言わなければだめです。それと同時に、同時にというより先行して、例えばASEAN+6(プラスシックス)。ASEAN10か国と日中韓、そしてオーストラリア、ニュージーランド、インド。その経済連携を追求すべきでしょう。少なくとも同時並行、できればそれを先行してやるべきでしょう。
内閣府の試算だと、ASEAN+6、10年間で5兆5千億円のプラスがある。日本にとって経済効果があります。TPPは2兆6千億円。ASEAN+6の方が2倍以上の効果がある。野田内閣の内閣府の試算ですよ。そういうことになっているのです。TPPというのは全ての関税撤廃でありますから、著しく難しいのです。ハードルが高いのです。エベレストに登るぐらい大変なのですよ。ASEAN+6はそんなこと言いませんから、まあ富士山に登る程度でしょう。
富士山に登ってきたら550万円賞金をあげる。エベレストに登ってきたら260万円賞金をあげる。どちらがいいですか。やっぱり富士山に登るのではないでしょうか。いや、山に登るのは賞金目指していくわけではないですけれども、経済連携っていうのは経済効果を求めてやるのです。そしてASEAN+6を進めれば、アメリカも「アジアから弾き飛ばされては大変だ、アメリカもどっかで噛ましてくれ」「いいですよ。日本の同盟国ですから。だから例外なき関税ゼロなんてそんな無理なこと言っていてはだめですよ」と言って、入れてあげればいい話です。
最初からダボスに行って、わざわざ負けるための準備をして、そして普天間の借りがあるからアメリカの言うなりにならざるを得ない。こんな外交やっていては私はいけないと思います。
東日本大震災でアメリカのサマーズという元財務長官が「日本はこれから坂道を転がり落ちるように貧しい国になっていくであろう」と、こう言いました。そんなことありません。日本人はピンチに強いんです。被災地の方たちの連帯の気持ち。譲り合い、助け合いの気持ち。あれは世界の人たちに感動を与えました。
さきの大戦で亡くなった方は300万人。大変痛ましいことでありますが、こないだの津波で亡くなった方は2万人弱。150倍以上の人をさきの大戦では失ったのです。そして京都を除く日本の大都市はみな焼け野原になりました。そういう中から日本人は立ち上がったのです。わずか20数年で世界第2の経済大国になりました。日本人はピンチに強いのです。あの時とは状況が違う、人口構成が違うじゃないか。人口ボーナスがあったのだ。どんどん若い人が増えたのだから。それはそうです。
それはそうですが、やはり成熟国家の強みっていうのもあるのです。あの時とは比べ物にならないほど家計にも企業にもお金があります。知的財産もあるのです。そしてアジアの国、凄い勢いで発展している。日本の近くの国が発展しているということは、地理的に絶対有利なのです。そういったことを成熟国家として上手く活かしていけば、日本は立派に再生できます。
一緒にやりましょう。日本人の底力を信じて、政治は当たり前のことを当たり前にする。日本人の底力を発揮することを妨げるようなことはしない。当たり前のことを当たり前にする。手品みたいなことをしようとしない。無駄を省けば1年間に16兆8千億円の恒久財源が出てくる。これ手品ですよね。手品から財源出てきましたか。
鳩は出てきましたね。菅も出てきたドジョウも出てきたけれどもそんな財源は出てこないのです。やっぱり当たり前のことを当たり前にして、そして日本人の底力を信じて、そうすれば、あの時とは条件が違うこともあるけれども、あのときよりもずっといい条件もある。そしてピンチに強い日本は、必ず再生する。
そのために私は死力を尽くすことをお誓い申し上げまして、本日の御礼の言葉といたします。
ありがとうございました。

|